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中国 西安および楊凌での活動報告 2010年7月17~19日
■ 目的

楊凌農業博覧会開催に関する打ち合わせ、および同モデル区内に新設される「日本農業園」
の管理・運営権の交渉を行った。この農業実験モデルエリアに日本の農業技術者や企業を招致し、
日本の農作物の販売マーケットを中国内部から開拓すると同時に、中国における農作物の品質基準
策定にあたって日本の基準を推奨していく。

■ 参加者

アジア現代経済研究所 劉理事長

日本ビジネスインテリジェンス協会会長 中川 十郎氏
楊凌区農業高新技術産業外事公室 国際合作局 明 局長 / 管理委員会 梁 副主任

■ 主な活動内容 訪問先:楊凌区農業高新技術産業外事公室
  1.モデル区の現状

すでに楊凌農業モデル区にて、カナダ、韓国、台湾等のアグリ企業が農業実験エリアを取得し、 中国に対して積極的なマーケティングPRを行っている。今年で16回目となる農業博覧会へは 日本からも農業重機、石油会社が毎年しているが、まだ関連省庁をはじめとし、日本の国内的 には同モデル区の知名度は未だに低い。

中国国家プロジェクトのハイテク実証モデルであり、 かつ唯一の農業特区である同エリアにおいて、日本の農業技術参入に対する中国側のニーズは非常に高く、このエリアにおいて食の品質基準策定などでのイニシアティブを日本が握って いくことにより、将来的な両国の農業問題解決に繋がる可能性も高いと考える。

 

  2.日本農業園について

モデル区内に日本の農業技術の実証実験地区である「日本農業園」を開設することが決定した。
日本農業園の管理会社として、アジア現代経済研究所が10キロ平方キロの範囲の権利を取得し、日本企業の招致活動や中国投資家などから投資させる合弁日本企業を設立することで合意し、基本提携契約が交わされた。調印式は来月現地にて執り行われる。同実証モデル地区では、日本の農業や酪農技術など取り入れた日本の特色を活かした開発区として、栽培された作物や農業・酪農技術を中国全土から世界へ流通・浸透させることが望まれている。

また日本農園周辺には日本レストランや宿泊施設など小規模な「ジャパニーズタウン」づくりの構想があり、これらの開発に関しても、日本国内のゼネコンなどにオーダーする。投資予想金額は100億円程度。また、同モデル区はクローン技術等の研究が盛んであり、今後、日本の研究施設と多種多様な共同技術交流を進めるべきだという共通認識が持たれている。

 

  3.日本進出の課題

中国が食に対する安全性を意識しはじめたことは、実に大きな変化であり、世界的なアグリビジネスの将来を考えるうえでも新たに鮮度優先型巨大流通マーケットが誕生することを意味するものであろう。すでにスーパーで 売られている野菜と農家直営との価格差が10倍程度になる品物もあり、また、日系企業が製造に関与している乳製品などはダイレクトに大都市との流通契約が交わされ、日本の2倍程度の価格で販売されている。

こうした予兆は、食の意識大革命へと発展してゆく可能性を意味している。その動きにいち早く他国の 農業先進国が注目し、すでに中国政府等に対する水面下のセールスが始まっている。日本は現時点ですで に大幅な遅れを取っているが、いくつかの分野において、日本の農業技術は世界最高水準にあるという ことは広く内外が認めているのも事実である。

まずは「日本農業園」の有効な利用方法を迅速に策定し、鮮度と安全性をアピールしつつ、 中国のモデル区で作られる農作物の品質基準を日本の基準に合わせるガイドラインを提案すべきだろう。

しかしながら課題としては、積極的に日本の農業技術を中国に提供することは、技術流出となり、近い将来 「安くて安全な食べ物」が中国から日本へ流通し始めた場合の農業従事者への影響も当然考えられる。よって日本政府として は技術流出や様々な保護政策の観点から積極的に中国進出を推奨できないものと考える。

しかし、もし日本が技術提供しなくても、他国が代わって実施するだけであり、やはり同様の現象は 避けられないかもしれない。他の農業先進国としては、日本の本格参入は当然ながら「脅威」なのである。こうした国際的な動向を考慮 しながら、日本がどういう選択をすべきなのかは、 産学官が「将来の食糧問題」や「農業問題」に対する意識統一をはかるための 有識者協議機関を設置し自治体の意向を含めて協議する必要があるだろう。 急速に動き出している巨大国家における食文化の革命期に際し、進出か経済鎖国かの判断を下すにあたっての猶予は、さほど残されていないと感じた。

【 KEN 】

モデル区内では、水耕栽培やLEDを利用した植物工場などで様々なものが研究栽培されている。また、中国国内、および海外農業先進国の多くの施設が現在、 急ピッチで建設されている。

 
国際合作委員会
(中央:梁副主任・左から2番目
農業局長・一番右開発区局長)
右から3番目中川氏・一番左
開発区副局長)
開発区模型
トウモロコシ畑
ビニールハウス栽培(収穫後)
花園(日本へも輸出している)
 
 
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